台湾向けりんごの輸出 「青森うまいものたち」 転載

青森りんご
以下はあおもり産品情報サイト「青森うまいものたち」掲載の論文「青森りんごの輸出の現状と展望」(深澤守・青森県農林水産部総合販売戦略課副参事)からのです。

http://www.umai-aomori.jp/know/marketing/apple_export/1.phtml

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二 台湾向けりんごの輸出

(一)台湾向け青森りんご躍進
  台湾の人口は約二千二百万人。りんごの消費量は一人当たり七・二kgで、日本の約一・七倍あります。 台湾は、バナナを筆頭にパパイア、マンゴーなど熱帯果実の宝庫で、りんごは、山間地にわずかに栽培されているのみで、台湾にとって最大の輸入果実です。年間一二万トン程度の輸入のうち、トップはこれまで輸入制限がなかった米国が八割のシェアを占めていました。
 しかし、台湾のWTO加盟(平成一四年一月)によって、日本産は急増し。加盟前の一二年産青森りんごの輸出量(財務省統計から県推計)は約千五百トン、加盟後の一四年産は約七倍の一万一千トンに拡大し、一五年産は一六年五月の時点で一万四千五百トンで、このうち青森産が九割程度を占めると見られています。
 台湾向け増加の背景は、何といってもWTO加盟による輸入枠(日本向け二千トン)の撤廃と関税引き下げ(五〇%→二〇%)です。これに付随して輸入枠の入札制が廃止されたことも大きく影響しています。
 輸入割当制時代は、台湾政府が入札によって輸入業者を選定していて、これまで大手業者の独占状態が続いていましたが、WTO加盟後は入札制度が廃止され、多くの輸入業者が青森りんごを扱うことができるようになりました。
 また、米国産は二〇〇三年の米西海岸の港湾ストや台湾向けりんごからコドリンガが発見されたことから一時的に輸入が止まったことなどがあって急減しています。その後もワックス処理に健康面の懸念を持たれ、大幅にシェアを落としていると言われています。
 今年一月に青森県りんご輸出協会と青森県が共催した、輸出促進ミッションの際、台北市内の卸売市場や果物専門店を見て回っても、青森りんごが溢れていて、米国産や韓国産を見つけるのが難しい状態でした。



(二)青森りんごに高い評価
 台湾で、日本のりんごが珍重されるのは、旧正月中心の贈答需要や神仏供養の習慣があるからです。世界一、むつ、ふじ、金星など大玉品種が中心です。春節(旧正月)の装飾は赤一色に染まりますが、本県の色つきの良いりんごがこうした装飾に大変マッチします。
 台湾は日本の統治時代から親日感情が高く、メイドインジャパンへの憧れが強いといいます。現地で年配の人に話を聞くと、子供時代は病気をしないと日本のりんごは食べられなかったとか。日本に置き換えると中高年世代のバナナと同じ感覚です。バナナは値段も安くなって大衆化しましたが、台湾での青森りんごは依然として高級果実です。
 しかし、WTO加盟後は中小玉のふじや王林など、家庭消費向けのりんごが相当伸びています。青森りんごの食味・品質の良さが認められたことは勿論。関税引き下げなどで、割当制当時より価格もやや下がっていることもあって、一万トンを超える輸出実現の原動力になっています。
 もっとも、日本のりんごはまだまだ高く、専門店やデパートではふじ(二八玉サイズ)が、一個二五〇から三二〇円で売られていました。贈答用のむつ八個入り一箱で五千二〇〇円、文字入りのむつ一個千五百円と、日本でも滅多にお目にかかれない値段で売られていました。でも、小玉の無袋ふじ一個八三円との価格設定もあり、米国ふじ九九円、韓国ふじ一三二円に匹敵する価格の県産りんごも登場しています。
 今回の、台湾輸出プロモーションでは、初めて現地の全国紙と女性雑誌に青森りんごの広告を掲載しました。WTO加盟で、長野県や岩手県など国内産地も台湾にミッションを送り込んでいます。米国、韓国や南半球の諸国など競争相手も多く、青森もうかうかしていられない。広く台湾消費者に青森りんごの産地ブランドを強く印象付けることを狙った取り組みです。



(三)輸出で国内価格を下支え
 日本の市場でも、台湾向け取引が活発で、一三年、一四年と二年続いた価格低迷から抜け出し、一五年産価格上昇の大きな要因の一つになっています。約一万四千トンの出荷量は青森りんごにとっては、四国四県の市場規模を上回る新しいマーケットの誕生です。
 従来、加工分野が担っていた生食用価格の下支機能。中国からの輸入果汁の増加で失われてしまいましたが、加工用の下位等級品ではなく高級品から一定量を国内市場から隔離することによって国内生食用価格を維持するという意味で、輸出分野でその役割を取って代わろうとしています。
 今回の台湾訪問で、青森りんごはすこぶる好調であり、関係者の評価も非常に高く、輸出の担う役割が益々重要になっていることが実感できました。
 今後も台湾向け輸出の一層の拡大を図るとともに同じ生活習慣を持つ中国への輸出についても検討するなど、関係機関とともに取り組んでいきたいと考えています。
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