李登輝実録 李登輝(著)産経新聞出版 (転載)

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以下は「産経新聞」より転載です(06.6.15)
李登輝実録
李登輝(著)
(産経新聞出版・3000円)

■台湾民主化の足取りたどる

 一九八八年一月十三日。蒋介石の長男で総統だった蒋経国が死去。李登輝副総統が憲法の規定に基づいて総統に就任した。台湾人が台湾の頂点に立った初めての日だ。

 李氏は自ら「蒋経国学校の卒業生」という。蒋父子は戦後台湾を一党支配した国民党の権力者ではあったが、経国は台湾が台湾人の手で自立する時代を見越していた。日本統治時代の台湾で日本語で育ち、京都大学で農業経済を学んだ学者の李氏を政界に呼び、帝王学を学ばせたのは経国に他ならない。時間をかけて台湾に民主化の種を植えようとした証左のひとつだ。

 蒋王朝とまで言われた絶対的な権力を握っていたはずの経国。李氏が一九八四年から八八年までの副総統時代、経国との会話や出来事を書き綴(つづ)ったメモを改めて見直し、口述筆記で時代背景や李氏の見解も加味したのが本書。李氏が一党支配時代の国民党をいかに内側から静かに「無血革命」を起こそうとしていたか「誠(まこと)」が読み取れる。

 台湾の現在、過去、未来を知る上で欠かせぬ一冊である。



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